知っておきたい住宅性能表示制度とは vol.2|不動産物件(新築・中古一戸建て・マンション)の朝日土地建物

知っておきたい住宅性能表示制度とは vol.2

2.新築住宅に関する性能表示基準、どのような評価をする??

新築戸建住宅の実際の表示基準

(1)構造の安定に関すること(必須)

主に耐震性、耐風性、耐雪性に関する項目です。耐雪性に関しては多雪区域のみ評価されます。
また、地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法、基盤の構造方法及び形式等が記載されます。
・地震に対し建物が倒壊、崩壊のしにくさが評価されます。

地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊のしにくさの等級
3 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7の1.5倍)で倒壊しない程度
2 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7の1.25倍)で倒壊しない程度
1 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7)で倒壊しない程度

・地震による建物の損傷の生じにくさが評価されます。

地震に対する構造躯体の損傷の生じにくさの等級
3 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)の1.5倍の力で倒壊しない程度
2 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)の1.25倍の力で倒壊しない程度
1 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)で損傷を生じない程度

・暴風に対する建物が倒壊、崩壊及び損傷のしにくさが評価されます。

暴風に対する構造躯体の倒壊、崩壊などのしにくさ及び躯体構造の損傷の生じにくさの等級
2 500年に一度発生する暴風(※1)による力の1.2倍の力に対して倒壊・崩壊せず、50年に一度発生する暴風(※2)の力の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度
1 500年に一度発生する暴風(※2)による力で倒壊・崩壊せず、50年に一度発生する暴風(※2)の力に対して損傷を生じない程度

※東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、瞬間最大風速が約50m/sの暴風に相当。

※東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/sの暴風に相当し、これは、伊勢湾台風時に名古屋気象台で記録された暴風に相当。

(2)火災時の安全に関すること

火災報知機器の感知する範囲と警報が聞ける範囲の広さで評価します。

評価対象住戸において発生した火災の早期覚地のしやすさの等級
4 発生した火災のうち、すべての台所及び居室で発生した火災を早期に感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されている。
3 発生した火災のうち、すべての台所及び居室で発生した火災を早期に感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されている。
2 発生した火災のうち、すべての台所及び寝室等で発生した火災を感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されている。
1 発生した火災のうち、すべての寝室等で発生した火災を感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されている。

延焼に対し、窓などの開口部がどれくらいの間耐火性があるか評価されます。

耐火等級
3 火炎を遮る時間が60分相当以上
2 火炎を遮る時間が20分相当以上
1 その他

延焼に対し、窓以外の外壁や軒裏がどれくらいの間耐火性があるか評価されます。

(3)火災時の安全に関すること

柱、梁(はり)、壁など構造躯体に使用されている材料に施された劣化を軽減する対策の程度を評価し等級表示します。
木造住宅では木材の腐朽やシロアリの被害を軽減する通気・換気対策や高耐久の木材が使われているか評価されます。

構造躯体に使用する材料の交換等大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策の程度の等級
3 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下でおおむね75〜90年まで、大規模な改修工事を必要とするまでの伸長するため必要な対策が講じられている。
2 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下でおおむね50〜60年まで、大規模な改修工事を必要とするまでの伸長するため必要な対策が講じられている。
1 建築基準法に定める対策が公示されている。

(4)維持管理・更新への配慮に関すること。(必須)

給排水管・給湯菅及びガス管の点検や清掃、補修のしやすさを評価します。

専用の給排水管・給湯菅の維持管理を容易とするための必要な対策の程度の等級
3 掃除口及び点検口が設けられている等、維持管理がを容易とすることに特に配慮した措置が講じられている。
2 配管をコンクリートに埋め込まない等、維持管理を行うための基本的な措置が講じられている。
1 その他

(5)温熱環境・エネルギー消費量に関すること(必須)

地球温暖化の対策を含めて冷暖房に使用するエネルギー効率を向上させるため断熱化の対策の程度が評価されます。

省エネルギー対策として暖冷房に使用するエネルギーの削減のための断熱化等による対策の程度の等級
4 エネルギーの大きな削減のための対策が講じられている。
3 エネルギーの一定程度の削減のための対策が講じられている。
2 エネルギーの小さな削減のための対策が講じられている。
1 その他

(6)空気環境に関すること

いわゆるシックハウス症候群対策で室内の空気のほこり、微生物、水蒸気、一酸化炭、二酸化炭素及び化学物質などの濃度を削減する対策が取られているかを評価します。ホルムアルデヒドなど化学物質などの濃度を測り表示します。また、建材の選定と換気方法を評価します。

省エネルギー対策として暖冷房に使用するエネルギーの削減のための断熱化等による対策の程度の等級
内装 天井裏  
3 3 ホルムアルデヒドの発散量が極めて少ない(JIS規格のF☆☆☆☆等級相当以上)
2 2 ホルムアルデヒドの発散量が少ない(JIS規格のF☆☆☆等級相当以上)
1 1 その他

(7)光・視環境に関すること

居間、寝室の窓など開口部の大小を床面積との比率で評価します。(単純開口率)東西南北と真上の各方位ごとの開口部の面積割合を評価し、どの方向により多くの開口部があるのか表示します。(方位別開口比)

(8)音環境に関すること

マンションなど共同住宅では重量床衝撃音(子供の走りまわる音)など評価項目は多いですが一戸建てについては住宅外部からの遮音性が評価されます。(透過損失等級)

(9)高齢者等への配慮に関すること

高齢者への配慮(バリアフリー)のための対策がどの程度取られているかが評価されます。
評価の対象は「移動時の安全性」、「介助の容易性」を実現する対策の程度が評価されます。段差の解消、手すりの設置、高齢者の寝室と居間などが同一階に配置されているか、玄関、通路、浴室、トイレの広さなどが評価されます。

住居内における高齢者等への配慮に必要な対策の程度の等級
5 高齢者が安全に移動するための基本的な措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を容易にすることに特に配慮した措置が講じられている。
4 高齢者が安全に移動するための基本的な措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を容易にすることに配慮した措置が講じられている。
3 高齢者が安全に移動するための基本的な措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を行うための基本的な措置が講じられている。
2 高齢者が安全に移動するための基本的な措置が講じられている。
1 住居内において建築基準法に定める移動時の安全性を確保する措置が講じられている。

欠陥住宅の検知の観点からも住宅性能評価制度の普及は望まれるところですが、平成26年度では設計住宅性能評価で21.6%、建設住宅性能評価で18.6%と必ずしも普及が進んだとは言えません。
この制度が出来て10年以上経過していますが、普及率は新築一戸建てで2割程度です。申請が任意で費用が掛かることが普及の進まない原因でもありますが必須項目が9分野から4分野に軽減されたので必須項目だけでも試してみる価値はありそうです。
また、既存住宅(中古住宅)では特に購入後のトラブルが無いよう制度を利用することは有効だと思われます。

出典(参考):新築住宅の住宅性能表示制度ガイド(住まいの情報発信局)

この記事は2017年1月23日に作成されました。

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