住宅のバリアフリーの基礎知識|不動産物件(新築・中古一戸建て・マンション)の朝日土地建物

住宅のバリアフリーの基礎知識

現在日本は急速に高齢化が進すすみ、2050年には65歳の高齢者が人口の3割を超えると言われています。必然的に介護の問題も含めて、高齢者が住む住宅も高齢者及び障害者を含むすべての人々が暮らしやすいように、生活空間における バリア(障壁)を除去することは重要な課題です。住宅のバリアフリー化は認知度が上がり、行政もバリアフリー化を促進支援する施策を取っています。税制面での優遇もあるバリアフリーとリフォームについて解説します。

1.売却物件の相場の確認

不動産の売却価格は立地や土地面積、建物面積、建物のグレード、向き、間取り、築年数など様々な要素があり価格の相場を割り出すのは容易ではありません。一方、購入した以上の価格で売れれば元が取れますが住み替えの場合は最低でもローン残高と次の物件の購入諸費用などが出せる価格で売りたいでしょう。

2.具体的なバリアフリー化とは

国土交通省ではバリアフリー改修に関する特例措置としてバリアフリーリフォームの減税制度で高齢者等が安心して快適に自立した生活をおくることのできる環境の整備をバックアップしています。ここで対象となる高齢者居住改修工事の内容を説明します。

出典:バリアフリー改修に関する特例措置 国土交通省より

① 通路などの各幅

車いすの利用がスムーズにできるための改修

工事目的 該当する工事 基準
介助用の車いすで容易に移動するために通路又は出入り口の幅を拡張する工事 ・壁、柱、ドア、床材などの撤去や取り換え等の工事
・通路や出入り口の幅を拡張する工事と合わせて行う幅木の設置、柱の面取りや、通路等の幅を拡張する工事に伴って取り換えが必要となった壁の断熱材入りの壁への取り換えなどの等の一体工事
・工事後の通路や出入り口の幅が、おおむね750mm以上
・浴室の出入り口にあってはおおむね600mm以上

② 階段の勾配の緩和

階段の角度をゆるやかにする改修

工事目的 該当する工事
階段の設置(既存の撤去を伴うものに限る)又は改良によりその勾配を緩和する工事 ・従前の階段の勾配が従後の階段の勾配に比べて緩和されたことが確認できる工事
・階段の勾配を緩和する工事に伴って行う電気スイッチ、コンセントの移設などの工事は一体工事として含まれる。
・玄関の内側の階段の勾配の緩和と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けやスロープの設置など、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取り換え又は取り付け

③ 浴室改良

浴室の床を広げ入浴や入浴の介助をし易くする浴室の改修

工事目的 該当する工事 基準
入浴又は介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事 ・壁、柱、ドア、床材などの撤去
・一体工事として行う給排水設備の移設等の工事
・浴室床面積を増加させるための浴室の位置の移動
・一帯工事として浴室の床面積を増加させる工事に伴って行う仮浴室の設置
・浴室の床面積を増加させる工事と併せて行う脱衣室の床面積を増加させる工事
・工事後の床面積がおおむね1.8㎡以上
・短辺の内法寸法が1200mm以上
浴槽をまたぎ高さの低いものへ取り換える工事 浴槽をまたぎ高さの低いものへ取り換える工事に伴って行う給排水設備の移設等の工事  
固定式の移乗台、踏み台、踏み台その他高齢者等の浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事 一体工事として固定式の移乗台等を設置する工事に伴って行う蛇口の移設等の工事  
高齢者等の身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し又は同器具に取り換える工事 ・蛇口の移設、レバー式蛇口
やワンプッシュ式シャワーへの取り換え等の工事
・一体工事として蛇口を移 設するための工事に伴っ て行う壁面タイルの取り 換え等
 

④ トイレ改良

便座、便器の交換や床面積の拡張で排泄又は介助を容易にする改修

工事目的 該当する工事 基準
排泄又はその介助を容易に行うために便所の床面積を増加させる工事 ・壁、柱、ドア、床材等の撤去、取り換えや一体工事としてそれらに伴って行う給排水設備の移設等の工事
・便所の床面積を増加させるための便所の位置の移動や一体工事として便所の床面積を増加させる工事に伴って行う仮便所の設置工事等の工事
・工事後の長辺の内法寸法がおおむね1,300mm以上
・便器の前方若しくは側方における便器と壁との距離が概ね500mm以上であるもの
便器を便座式のものに取り換える工事 ・和式便器を洋式便器(洗浄機能や暖房機能等が付いているものを含む)に取り換える工事
・一体工事として便器を取り換える工事に伴って行う床材の変更等の工事
 
座便式の便器を高くする工事 ・便器のかさ上げ、取り換えなどにより便器の座高を高くする工事
・一体工事として便器を取り換える工事に伴って行うトイレットペーパーホルダーの移設等の工事
 

⑤ 手すりの取り付け

移動を容易にするために移動経路上への手すり設置

工事目的 該当する工事 基準
便所、浴室、脱衣所その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事 ・一体工事として手すりを取り付ける工事に伴って行う壁の下地補強や電気スイッチ、コンセントの移設等の工事
・玄関の内側の階段の勾配の緩和や段差解消と併せて行う玄関外側の手すりの取り付けなど、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取り換え又は取り付け(併せて行うことが必ずしも必要ないものを除く)
手すりを転倒予防若しくは移動又は移乗動作に資することを目的として取り付けるものであること

⑥ 段差の解消

転倒などを防止するための移動の障害となる段差を解消する工事

工事目的 該当する工事
便所、浴室、脱衣所その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に床の段差を解消する工事 (勝手口その他屋外に面する開口の出入り口及び上がりかまち並びに浴室の出入り口にあっては、段差を小さくする工事を含む) ・敷居を低くしたり、廊下のかさ上げや固定式スロープの設置等を行う工事
・一体工事として廊下のかさ上げ工事に伴って行う下地の補修や根太(床板を支えるため、床の下に渡す横木。)の補強等の工事
・玄関の内側の段差解消と併せて行う玄関の外部の手すりの取り付けやスロープの設置など、本体工事一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取り換え又は取り付け(併せて行うことが必ずしも必要でないものを除く)

⑦ 出入り口の解消

出入りがし易いようにドアや戸の改修

工事目的 該当する工事
開戸を引戸、折戸に取り替える工事 開戸を引戸、アコーディオンカーテン等に取り替える工事
開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事 開戸のドアノブをレバーハンドルや取手など開閉を容易にするものに取り替える工事
戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事 引戸、折戸等にレール、戸車、開閉のための動力装置等を設置する工事や開戸を吊戸方式に変更する工事

⑧ 滑りにくい床材料への取り換え

床が滑りにくくする改修

工事目的 該当する工事
便所、浴室、脱衣所その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事 一体工事として床の材料の取り換えに伴って行う下地の補修や根太の補強等の工事

※根太:床板(ゆかいた)を支えるため、床の下に渡す横木。

3.減税制度

バリアフリーを促進するために行ったリフォームに応じて税の優遇措置が取られています。5つの減額措置が受けられます。

① 所得税の控除が受けられます

バリアフリーリフォームを対象にし、償還期限が5年以上のローンによるバリアフリーリフォームを含んだ増改築(ローン型減税)と借入金の有無によらないバリアフリーリフォーム(投資型減税)のいずれかの適用が受けられます。税務署へ確定申告します。

制度の条件 ローン型減税 投資型減税
減税期間 1年 5年
控除又は減額の上限高 20万円 12.5万円/年(5年間)
リフォーム費用の要件 50万円超 20万円
減税の申告先 税務署(確定申告) 税務署(確定申告)

② 固定資産税の減額措置

バリアフリーリフォーム後の家屋の固定資産税が減税されます。

制度の条件 固定資産税の軽減措置
減税期間 1年(翌年度)
控除又は減額の上限高 家屋の固定資産税額の1/3(100㎡)まで
リフォーム費用の要件 50万円超
減税の申告先 市区町村(工事完了後3カ月以内に申告)

③ 贈与税の非課税措置

バリアフリーリフォームの資金の贈与で平成31年6月30日までの間、満20歳以上(贈与を受けた年の1月1日時点)の個人 が親や祖父母などから住宅取得等資金を受けた場合において、一定金額までの贈与につき贈与税が非課税となります。

制度の条件 贈与税の非課税措置
減税期間 贈与を受けた年度分
控除又は減額の上限高 1200万(質の高い住宅)700万(一般住宅)
リフォーム費用の要件 100万円以上
減税の申告先 税務署(確定申告)

※質の高い住宅: 断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 ② 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物の住宅 ③ 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅で、住宅性能表示制度の性能等級になります。

④ 録免許税の特例措置

家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の軽減があります。 個人が宅地建物取引者により一定の質の向上を図るための特定の増改築等が行われた既存住宅を取得した場合に、所有権移転登記に係る登録免許税の税率を一般住宅特例より軽減(0.1%(一般住宅特例0.3%、本則 2%))を受けることが出来る制度です。

制度の条件 贈与税の非課税措置
減税期間 家屋の所有権の移転登記時
控除又は減額の上限高 0.1%(上記期間内)(一般住宅0.3%
減税の申告先 法務局

この記事は2017年5月21日に作成されました。

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